私たちは蒜山高原で育った山葡萄でワインを造っています。
ホーム 山葡萄と私達

ひるぜんワイン山葡萄と私達


日本古来の天然山葡萄(やまぶどう)100%


山葡萄(やまぶどう)と過ごす1年


春:

長い冬が終わり、雪が溶け、春が来ました。
ワイナリーの最初の仕事は山葡萄(やまぶどう)の木を支柱にくくり上げ剪定の作業からはじまります。

いい実をつけさせるため、枝を切り詰めてやるのですが、切った枝の先から樹液がポタポタとしたたります。
その樹液は透明で光り輝き深い雪を耐え、春を待ちわびた木の生命を感じます。

そして、その樹液を口にすると透き通った蒜山(ひるぜん)の大地を感じます。
山々が新緑の季節を迎えると、山葡萄(やまぶどう)は茶色で猫の鼻の頭のような産毛で覆われた可愛い新芽がでます。
白い小さな小さな花が咲き、虫達が交配を手伝いにやってきてくれます。そして小さな小さな実をつけます


夏:

夏になると普通の葡萄よりかなり大きな葉をつけます。
巻き蔓の手入れをしているとへびの青大将が葉の陰で涼んでいます。


秋:

秋になり、山葡萄(やまぶどう)も色づき、甘みも増していきます。
秋の恵みを求め空からはヒヨドリが地からは狸、ウサギがやって来ます。


冬:

収穫が終わり、雪から木を守るため木を全て地面に下ろします。
来年もいい実をつけるために、山葡萄(やまぶどう)は雪の下で長い眠りにつきます。

春の虫達、夏の青大将、秋のヒヨドリ、狸、ウサギ.....
山葡萄(やまぶどう)畑はいろんな生き物に囲まれ、これが自然なんだと感じれる場所です。


山葡萄(やまぶどう)事件簿
『放っておいても実はなるなんて言ったの誰だ?』


私たちは日本に古くから自生している山葡萄(やまぶどう)100%のワイン造りをしています。

本当は山の中で自然に生えている山葡萄(やまぶどう)から実を集めてワインを作るのが理想ですが、そういうはいかない事情があります。
山葡萄(やまぶどう)の実はデラウエアというたねなしブドウと同じくらいのサイズ、しかも大きな種が三つから四つも中に入っています。
一般のワイン用ブドウに比べて果汁が少ないのでどうしても沢山の山葡萄(やまぶどう)を育てなければいけないのです。

私たちは山の麓に山葡萄(やまぶどう)専用の畑を造り、山葡萄(やまぶどう)を育てる事にしました。
『もともと山になっている物なのだから、放っておけば実はなる』と私たちも思っていましたし、専門家の方もそういわれていました。
でも、世の中はそんなに甘くはありませんでした。

山葡萄(やまぶどう)ワインの歴史は山葡萄(やまぶどう)との格闘でもあるのです。
実は山葡萄(やまぶどう)栽培のマニュアルはどこにも無いのです。


【事件1:どこまでも大きくなるぞ.....】

畑に植えられた山葡萄(やまぶどう)は実をつけるどころか、どんどん大きくなります。
厳しい大自然の中で永い年月をたくましく生き抜いてきた山葡萄(やまぶどう)は私たちの想像以上に強い生命力を持っていました。

畑の中でどんどん根を伸ばし枝を伸ばし樹を拡大しようとしました。
樹の勢いに合わせて枝を広げないと実をつけない事を発見したのです。


【事件2:雌雄異株】

一般のワイン用のブドウはオスとメスがありません。
つまり1本の木にオシベとメシベがあり実を付けます。

ところが山葡萄(やまぶどう)は雄木と雌木があり、雄の花粉が雌の柱頭(実になる所)に付かないと実が付きません。
山葡萄(やまぶどう)栽培の先進地に視察に行き、『雄木は不要』とアドバイスを受け、伐採したのですが翌年から収穫が極端に減ってしまいました。

もしかして「オスのたたり.....」
いやいや、自然界でいかにオスが大切であるかを再認識させられました。

それまで山葡萄(やまぶどう)の花粉は風によって運ばれると考えられてきました。
しかし実際には60%虫が運んでいる事を当時、岡山大学に留学していたブラジル2世のヒロシ・パウロ・キムラさんが発見しました。
(彼はこの発見で博士号を取得しました)

花が咲く時期に天候が悪い日が続くと収穫量がガクンと落ちます。
やはり虫くんたちもお天気が悪いと外出しないのでしょうね。

感心させられるのは山葡萄(やまぶどう)の花が一気に咲かない事です。
4月〜5月にかけてゆっくりとバラバラに咲いてゆきます。

虫さん達に花粉を運んでもらって繁殖する山葡萄(やまぶどう)は虫さん達がお腹を空かさないように少しづつ花を咲かせるのかもしれません。
もちろん天候の影響による全滅を防ぐ意味もあるのでしょうが自然って上手くできてますね。
管理している私たちにとっては一気に咲いてくれた方が楽なのですが、こればかりはしかたありませんね。
『山葡萄(やまぶどう)と花』これは山葡萄(やまぶどう)栽培の永遠のテーマだと思います。


【事件3:晩霜】

山葡萄(やまぶどう)の花を持った芽は4月初旬の春早くに出てきます。
蒜山(ひるぜん)地方はこの時期、夜から朝にかけて霜が降り気温が下がります。
一晩の霜で芽が全滅してしまい実が取れない年もありました。
この時期は農家総出で一晩中、畑の小屋に泊まり、たき火などの温度管理をして霜対策をしています。


【事件4:雪】

蒜山(ひるぜん)は岡山県でも一番の豪雪地域。
多いところでは何メートルも雪が積もります。
当然、雪の重みで棚や山葡萄(やまぶどう)の樹がつぶされることもあります。
私たちは樹を守る為に雪が降る前に樹を棚から外し、春に雪が解けると樹を棚に縛り付ける作業を毎年繰り返します。
重労働ですが、とても大切な仕事です。


『手探りで始めたワイン醸造』


ワインは「酵母がブドウ糖を食べて発酵してアルコールをつくる」という単純な仕組みで出来ています。
しかも、良いブドウを収穫して、酵母を選び、発酵温度を管理すると手順も単純です。

しかし単純だからこそ奥が深い。作るのは人間だからです。

ひとつひとつの行程の人間の判断が出来上がったワインの品質に大きな影響を与えて行くのです。
ワイン造りは1年に1回しか経験できません。100年やっても100回しか経験出来ません。
山葡萄(やまぶどう)ワイン一筋にをワイン造りはじめて20年。
これからも色々な事があると思いますが、またこのページでお知らせしたいと思います。